アルバム"The Portrait-best album"収録
世界の先頭を走る先進国アメリカと多くの方に思われている米国ですが、
"New York","Los Angels"などの大都市ではない地方は、とても田舎です。
日本でいえば東京都と北陸や四国の地方都市では職に関する状況や情報の入手量の違いに大きなものがあるように、南部や中西部の地方都市と"New York"などの環境の差はとてもおおきい。
米国民からは特に"New York"だけは違うところだ、との声はよく聞きます。
80年代の初め頃、私は南部 Georgia州の州都"Atlanta"で演奏の機会があり訪れたことがあります。
黒人がとても多く町中に職をさがしているたたずまいの黒人があふれていましたが、
話してみると人々は善良で親しみやすく、会う人皆がやはり
"New York"は多くのアメリカの都市とは違う!と言っていたことを思い出すのです。
この"Ship in a Bottle"はそんな地方都市で暮らす多くの十代の女性、あるいは都会に暮らす内気な若い女子の気持ちを歌った歌です。
『私は瓶の中の帆船のような気がするの。
本棚の隅でほこりをかぶっている。
船のカタチをしていてよくできてるけど、役に立たない。
私のような形をした誰かのコピー
私は生まれ、忍耐と愛ときまりごとと一緒に押し込められたまま。
つくりものの海に横たわり、私を洗う波も、風のささやきも感じることはない。
私は少年の心を持つ船乗りの男性が瓶をこわして私を自由にしてくれることを待っている。
風に吹かれ海にでなければ
私は浮かぶことも進むことも知ることができないのだから
私を川に流して旅の無事を祈ってください。
そうしてくれるなら私は青い海へむかってすすみ、風が私を助けてくれるでしょう。
そして少年の心を持つ男の人が潮の流れにのせて私と進んでくれるでしょう。
私はそうして風と海に身をやつすことができるのです。』
多くの地方の米国人は、生まれた土地からでられないで人生をおくることも少なくないと聞きます。
自分を解放して自分自身の道を歩みたいと願う女性の歌です。
米国の大女優"Barbara Cook"の歌唱です。
"Barbara Cook"は"Broadway"を中心に1950年代から活躍する米国演劇界の重鎮です。
1970年代に鬱とアルコール依存症に苦しみましたが、作曲家・ピアニストの"Wally Harper"と歌手としてステージ活動をはじめることを機に快方に向かいます。
その後は2017年に89歳で他界するまで、歌手として素晴らしいパフォーマンスを届けてくれました。
その"Barbara"の大切なレパートリーの1曲がこの曲です。
多くの普通に暮らすアメリカ人の現実がこの曲にこめられているように感じるのです。
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