アルバム"Miroslav Vitous Group"収録
Miroslav Vitous - Bass
Jon Christensen - Drums
Kenny Kirkland - Piano
John Surman - Soprano Saxophone, Baritone Saxophone, Bass Clarinet
composed by Kenny Kirkland
"Kenny Kirkland"にしてはめつらしいFree-Jazzのような曲ですが、
このような表現力もあることが、彼の奥の深さを物語っています。
1966年、19歳で国際ジャズコンクールのベース部門で優秀して注目を集めた
チェコ人の"Miroslav Vitous"は、エレクトリックジャズの草分けである
"Weather Report"の創設メンバーとして知られています。
"Vitous"を最初にジャズ界のメインストリームに引っ張ったのはじつは、帝王"Miles Davis"でした。
"Miles"のグループに加入した"Vitous"はそこで
"John McLaughlin","Herbie Hancock","Jack DeJohnette"
らと親交をもち、その力を借りて1970年に自分名義のアルバムを発表しています。
彼はヴァイオリン,ピアノも弾き、ベースは
チェコの交響楽団のコントラバス奏者に習ったのがはじまりです。
どちらかといえば、クラシック界の新ウイーン楽派に通じる感性をもつ"Vitous"は
ファンク音楽によっていく "Weather Report"の"Joe Zawinul"に対して
ポピュラー音楽にすり寄ってお金を稼ぎたいのだ!と反感を持ち脱退するのですが、
"Zawinul"は音楽をやり続けるためには経済基盤を大切にしなければならないと
悟っていたのにすぎず、
その後の活動で音楽発信の場として音楽クラブをたちあげていることから
"Zawinul"の意図はJazz界にとって正しいものであったと言えるでしょう。
新ウイーン楽派に通じる感性をもつ"Vitous"の音楽性がはっきりしているのが
この"Miroslav Vitous Group"です。そこに"Kirkland"がいるのは意外なようですが
このように曲も提供していることから彼の音楽家としての深い度量が垣間見えます。
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