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執筆者の写真jazzdrumclub

名曲千夜一夜物語-465~"Dining Alone"-Carla Bley-1977

更新日:2020年1月26日


アルバム"Dinner Music"収録

Carla Bley - organ, piano, tenor saxophone, vocals

Michael Mantler - trumpet

Carlos Ward - saxophones,flute

Roswell Rudd - trombone

Bob Stewart - tuba

Richard Tee - electric piano,piano


Eric Gale - guitar,Gordon Edwards - bass,Steve Gadd - drums


"Carla Bley"は20世紀生まれの音楽家として個性的であり稀有な存在というべきでしょう。

カリフォルニア生まれで母は音楽家。母からピアノを教えられた彼女は17歳で

ニューヨークに出ます。


時代はアメリカが華やかで勢いがあった50年代の真っただ中。

ジャズクラブの"Birdland"で売り子をしていた彼女は

最初の夫になるピアニストで作曲家の"Paul Bley"に出会います。

彼から作曲を教えられた"Carla"はその資質を開花させていくことになるのです。

1976年当時の"Carla Bley"








1曲を聴いてその人の音楽のキャラクターがわかるアーティストもいますが、

"Carla Bley"は聴きこむほどに感動が深まるアーティストです。


60年代は"Paul Bley"の影響もあり、

"Free Jazz","Avant-garde jazz"のフィールドで活躍をはじめたのですが

そういう音楽は『思いつき』で演ってるんじゃない?楽しくない。

そう思われる方もいるかもしれません。

しかし『思いつき』だけでは感動させる音楽はめったに生まれないのです。

作曲のはじまりも『思いつき』から始まるのに変わりはありません。

ただその『思いつき』をどう整理して発展させるか。

そこにそれぞれの作家のスタイルが練りこまれるわけですが、

"Avant-garde jazz"もやはり彼らなりの”ルール”を共有して演奏している場合が

ほとんどです。


この曲もしっかり戦略がはられ、つくりこまれた曲です。

フレーズのひとつひとつまで細かく、

"代わりがない最良のフレーズ"につくりこまれています。

"Steely Dan"に通じる精巧につくりこまれた美学があります。


そして精巧につくりこんでもあくまでも

"自然"であるのが美しい

そのことを"Carla"は知っているから彼女の曲は

至極シンプルで明快です。

次回はそのことを伝えてくれる名曲をお送りします。

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