アルバム"The Scope"収録
Jerome Regard - Bass
Manu Katché - Drums
Patrick Manouguian - Guitar
Jim Henderso - Keyboards, Programming
Kayla Galland - Vocal
Composed by Manu Katché, Elvin Galland
"contemporary soul Jazz"か"IFJ-Interigent funky Jazz"とみるか、いずれにせよ
"Manu Katché"の創作の方向性が明らかになった作品です。
ライブ映像です。
"Manu"のドラミングを、ご覧ください。
全く無駄のない動きです。
軽やかなダンスともいえるドラミング。
ベースのフィンガリングも
全く無駄な動きがありません。
"IDM", "Ambient", "Hip hop"の時代の要求も
よく租借したうえで、ドラマーという
演奏家としても、音楽へどうかかわるかを
美しく楽曲に込めて作り上げています。
見事です。
"Manu Katché"のドラミングはブラスファンクバンド"Tower of Power" のドラマー
"David Garibaldi"のドラミングとも通じるゴーストノートを良く活かした
ファンキーなドラミングです。
さらにストーリー性を創り上げるそのアプローチはとてもメロディアスで
それこそが、"Manu Katché"の作品の独自性です。
ジャズのビートはスイングに始まり、ラテンが入り、ロックンロールを起点とした
8ビートが入り、16ビートのファンクがはいり、と広がってきて
"fusion", "contemporary Jazz"というようにカテゴライズされてきました。
しかしストレートアヘッドのジャズを演奏する場合には
スイング系のノリを持つドラマー以外は批判されるそんな状況は
80年代からよくありました。
"Steve Gadd"は”スイングがない”とよく批判されたのはものです。そういう視点で語るなら
"Manu Katché"はバリバリの16ビート、というかルーディメント系のプレイヤーです。
ソロ作2枚目、3枚目は彼の作曲面は素晴らしくとも
彼ならではのドラミングは活かされているかと言えば
疑問であったことは否めません。
2枚目、3枚目に彼が書いた曲はジャズ曲でした。
それに彼のドラミングの良さは活かされていなかった。
ここで私は"Steve Gadd"のようなリニアなドラミングはジャズではないという
馬鹿げたことを言いいたのではなく、
その演奏者の長所が楽曲に活かされているか、ということを言いたいのです。
"Steve Gadd"と"Chick Corea"が発表した"Three Quartets-1981"は名盤です。
それは"Steve Gadd"のプレイが楽曲の成立に不可欠なほどマッチしているからです。
それで完成した楽曲がオールドファッションのジャズであろうと
なかろうと、そんなことは大事なことではありません。
そしてこのアルバム"The Scope"での
"Manu Katché"のメロディーメイク、編曲、電子楽器の使い方、
そしてドラミングは楽曲成立の重要なピースとして見事に絡み合っています。
この作品において、"Manu Katché"は音楽家としての彼の立ち位置を
創り上げたのです。
ファンキーなグルーブをメロディアスなストーリ性をもって創り出すからこそ
"Sting"のようなメロディーメーカーの高いレベルの制作に不可欠な存在になり得るのです。
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